教員紹介
教授 小塩 真司
Email address :
研究室ホームページ: https://oshio.w.waseda.jp
研究領域
発達心理学,パーソナリティ心理学
現在担当している授業(学部)
大人のこころ(発達心理学),個性の発達と差異,感情・人格心理学,心理学演習7(発達評価法),心理学概論1,現代人間論系演習(現代社会と心の機能),現代人間論系演習(現代社会における心理学の意義),「発達を生きる人間」論ゼミ(現代人の心理)など
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
広く人間の心理的個人差の内容や構造,またその発達プロセスに興味があります。皆さんが普段使っている言葉で一番近いのは「性格」でしょうか。多様な人々が生活する世の中で,互いに理解し合い,より良い関係を築いていくにはどうしたらよいかを探りたいと考えています。
これまでは,自己愛的なパーソナリティ,レジリエンス,仮想的有能感,自尊感情,二分法的思考などに関して,その測定方法の開発や発達的・適応的な視点を盛り込んだ研究を行ってきました。また,大学への適応に関する研究や,大学教育のための各種テキストも執筆しています。
心理学は広大な研究領域をもち,人間のあらゆる活動が研究対象になる,とても刺激的な学問です。ぜひ,一緒にこのフィールドを探究していきましょう。
その他メッセージなど
学部は文化構想学部に所属しています。大学院は文学研究科所属です。
研究業績
https://oshio.w.waseda.jp
准教授 片平 建史
Email address :katahira@waseda.jp
研究領域
感性の心理学、感情心理学、社会心理学、生理心理学
現在担当している授業(学部)
心理学演習1(心理学実験)、心理学演習5(心理学論文講読1)、心理学演習11H(卒論)、神経・生理心理学、心理学概論2、心理学演習3(心理学研究法)、心理学演習12(心理学論文講読2)、心理学演習13(フィールド実習)、心理学演習18H(卒論)
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
私たちは芸術作品を鑑賞するとき、表現されているモチーフが何であるかを理解するだけでなく、それがいかに表現されているかという全体的な情報から印象や好き嫌いを形成し、ときには感動をも経験します。
片平研究室ではこうした心の働きを「感性」と捉え、感性の測定を出発点として、感性的な経験が形成される仕組みについて実験心理学の方法を用いて研究しています。感性の働きは芸術鑑賞のみならず、生活の中の身近な対象物、例えば製品やサービスの評価にも色濃く影響を与えます。研究の対象は多様に設定することができ、ゼミでは学生さんたちが、視覚的デザインや聴覚的刺激、香りなどを対象とした研究に取り組んでいます。
私自身の主な関心は受容と産出にわたる芸術行動の理解にあり、最近は感動の指標となる鳥肌や、何かの活動に没頭する際の「フロー」と呼ばれる心理的状態の研究を進めています。
その他メッセージなど
芸術やデザインについての科学的な研究に興味のある方にはよい環境だと思います。関心を持たれた方は是非ご連絡ください。
研究業績
研究論文(抜粋)
- 浅川香・矢野敦仁・木村勝・片平建史・山ア陽一・長田典子 (2021). 車室内エンジン加速音および定速走行音の聴取時における感情評価の個人特性. 日本音響学会誌 (accepted).
- 竹澤智美・片平建史・神吉佑菜・杉本匡史・渋田一夫・長田典子・千葉正貴・濱岡和輝・深津恵・片岡郷 (2021). COVID-19流行下の外出制限期間のストレス構造と芳香浴による緩和効果. 日本ヒューマンインタフェース学会論文誌, 23(3), 337-348.
- 飛谷謙介・白岩史・片平建史・長田典子・荷方邦夫・荒川薫 (2021). 化粧品パッケージデザインにおける高級感印象のモデル化. 精密工学会誌, 87(1), 134-139.
- 飛谷謙介・田口皓一・橋本学・阪下啓祐・谷伊織・橋本翔・片平建史・長田典子 (2020). 多視点画像群を用いたDNNによる3次元物体の印象推定. 電子情報通信学会論文誌D, J103-D(11), 844-848.
- Katahira, K., Kawakami, A., Tomita, A., & Nagata, N. (2020). Volitional Control of Piloerection: Objective Evidence and Its Potential Utility in Neuroscience Research. Frontiers in Neuroscience, 14:590. doi: 10.3389/fnins.2020.00590.
- 猪股健太郎・藤井豪・橋本翔・片平建史・長田典子・浅野隆・河崎圭吾・荷方邦夫 (2020). 自動車外観デザインに対する印象と選好の関係性に基づく個人の類型化. 日本感性工学会論文誌, 19(2), 223-233.
- Tobitani, K., Nishijima, K., Katahira, K., & Nagata, N. (2020). A visibility assessment of the design pattern of car tail lamps in terms of perceptual sensitivity on face recognition abilities. Cogent Engineering. 7(1), https://doi: 10.1080/23311916.2020.1834934.
- 片平建史・武藤和仁・橋本翔・飛谷謙介・長田典子 (2018). SD法を用いた感性の測定における評価の階層性 −EPA構造の評価性因子の多義性に注目して−. 日本感性工学会論文誌, 17(4), 453-463.
- 橋本翔・田中一晶・片平建史・長田典子 (2018). 刺激と独立な個人の傾向を考慮した新たな三相データの分析法. 行動計量学, 45(1), 27-38.
- Katahira, K., Yamazaki, Y., Yamaoka, C., Ozaki, H., Nakagawa, S., & Nagata, N. (2018). EEG Correlates of the Flow State: A Combination of Increased Frontal Theta and Moderate Frontocentral Alpha Rhythm in the Mental Arithmetic Task. Frontiers in Psychology, 9:300. https://doi: 10.3389/fpsyg.2018.00300.
- 片平建史・武藤和仁・李奈栄・飛谷謙介・白岩史・中島加惠・長田典子・岸野文郎・山本倫也・河崎圭吾・荷方邦夫・浅野隆 (2016). 3次元造形物体の感性評価における主要因子. 日本感性工学会論文誌, 15(4), 563-570.
- Kawakami, A., and Katahira, K. (2015). Influence of trait empathy on the emotion evoked by sad music and on the preference for it. Frontiers in Psychology, 6:1541. https://doi: 10.3389/fpsyg.2015.01541.
- 白岩史・片平建史・饗庭絵里子・飛谷謙介・長田典子・藤巻志保・吉田功・小村規夫 (2015). 環境配慮行動のためのモチベーティブ・コミュニケーションモデルにおける動機の内在化. 電子情報通信学会論文誌D, J98-D(2), 300-308.
- 北岡勇紀・片平建史・長田典子 (2014). 主観年齢推定における自己若年視要因の検討−関係流動性尺度を用いた社会心理的要因に関する考察−. 日本顔学会論文誌, 14(1), 123-128.
- 片平建史・饗庭絵里子・矢野浩範・松浦周平・飛谷謙介・長田典子・宮一普・古川誠司 (2014). 心理尺度を用いた微細気泡浴の入浴効果の検討. 人間工学, 50(1), 29-34.
- 片平建史・小西正人・飛谷謙介・長田典子(2013).主観年齢推定における自己若年視要因の検討 -旧知の顔に見られる蓄積記憶の牽引効果-. 日本顔学会論文誌, 13(1). 85-95.
- 片平建史 (2012). 合奏場面での非言語的コミュニケーションの対人的効果:身体動作チャネルの相互作用からの検討, 対人社会心理学研究, 12, 51-58.
教授 神前 裕
Email address :
Researchmap :https://researchmap.jp/yutaka.kosaki/
研究領域
学習心理学、比較心理学、行動神経科学、行動薬理学
現在担当している授業(学部)
学習心理学(秋)、心理学演習14(学習心理学実験:春)、心理学概論1(春)、心理学演習1・3(基礎実験:通年)、心理学演習11・19(ゼミ、心理学)、心理学演習18・20(ゼミ:通年)、基礎講義5・6(通年)、心理学演習(卒論)など
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
当研究室では、私たちヒトを含む動物の適応的な認知・行動を形づくる「学習」という過程に焦点を当て、主にラットやマウスなどの動物を対象とした実験的研究を行っています。
学習とは「経験による行動の比較的永続的な変化」と定義されます。つまり、生得的な反応パターンを超えて観察される心・行動のあらゆる側面を支える重要な過程であり、ヒトに限らず広い範囲の動物種に見られます。例えば私たちは日々、過去の経験から将来の報酬をうまく予測して意図的に行動を選択したり、過去の不快な出来事と結びついた場所をそれと気づく前に避けたりします。こうした意図的・合理的な判断、あるいは無識的な反応が形成される学習のメカニズムを、条件づけをはじめとする実験心理学的の伝統的な手法・理論と神経科学・薬理学的手法とを融合させることで詳細に解き明かしたいと考えています。これは言い換えると、「私たちはなぜ今そのように考え(あるいは考えずに)行動するのか」という人間についての根本的な問いに、できるかぎり客観的で普遍的な答えを与えようとする試みです。また学習・行動の普遍原理の探求とともに応用的な問題として、基本的な学習過程の不調から現れてくる、あるいは学習過程の不調が伴う、薬物依存やうつ病、統合失調症など、種々の精神疾患・行動障害の機序解明にも貢献したいと考えています。
上記のような研究内容や、より広く適応・進化の産物としての心の機能、心が脳という器官から生まれてくる仕組みについて一緒に研究してみたいという方は、どうぞお気軽にご相談ください。外部からの大学院進学や学振PDなども歓迎いたします。
研究業績
研究論文(抜粋)
- Suzuki, R., & Kosaki, Y. (2024). Prediction, perception, and psychosis: Application of associative learning theories to schizophrenia research. Behavioral Neuroscience, 138(3), 195-211.
- Suzuki, R., Yamaguchi, K., & Kosaki, Y. (2024). Kamin blocking is disrupted by low-dose ketamine in mice: Further implications for aberrant stimulus processing in schizophrenia. Behavioral Neuroscience, 138(1), 30-42.
- Fujimaki, S., Hu, T., & Kosaki, Y. (2024). Resurgence of goal‐directed actions and habits. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 121(1), 97-107
- Fujimaki, S., & Kosaki, Y. (2023). Transition between habits and goal-directed actions in the renewal effect. Journal of Experimental Psychology: Animal Learning and Cognition, 49(4), 209-225.
- Suzuki, R., & Kosaki, Y. (2023). Ketamine facilitates appetitive trace conditioning in mice: Further evidence for abnormal stimulus representation in schizophrenia model animals. Behavioral Neuroscience, 137, 236-253.
- Bouchekioua, Y., Blaisdell, A. P., Kosaki, Y., Tsutsui‐Kimura, I., Craddock, P., Mimura, M., & Watanabe, S. (2021). Spatial inference without a cognitive map: the role of higher‐order path integration. Biological Reviews, 96(1), 52-65.
- Kosaki, Y., Pearce, J. M., & McGregor, A. (2018). The response strategy and the place strategy in a plus‐maze have different sensitivities to devaluation of expected outcome. Hippocampus, 28, 484-496.
- Kosaki, Y., & Watanabe, S. (2016). Impaired Pavlovian predictive learning between temporally phasic but not static events in autism-model strain mice. Neurobiology of Learning and Memory, 134, 304-316.
- Kosaki, Y., & Watanabe, S. (2016). Conditioned social preference, but not place preference, produced by intranasal oxytocin in female mice. Behavioral Neuroscience, 130, 182-195.
- Kosaki, Y., Poulter, S. L., Austen, J. M., & McGregor, A. (2015). Dorsolateral striatal lesions impair navigation based on landmark-goal vectors but facilitate spatial learning based on a “cognitive map”. Learning & Memory, 22, 179-191.
- Kosaki, Y., & Pearce, J. M. (2015). Asymmetrical generalization of length in the rat. Journal of Experimental Psychology: Animal Learning and Cognition, 41(3), 266-276.
- Kosaki, Y., Lin, T. C. E., Horne, M. R., Pearce, J. M., & Gilroy, K. E. (2014). The role of the hippocampus in passive and active spatial learning. Hippocampus, 24, 1633-1652.
- Kosaki, Y., Jones, P. M., & Pearce, J. M. (2013). Asymmetry in the discrimination of length during spatial learning. Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 39, 342-356.
- Kosaki, Y., Austen, J. M., & McGregor, A. (2013). Overshadowing of geometry learning by discrete landmarks in the water maze: effects of relative salience and relative validity of competing cues. Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 39, 126-139
- Kosaki, Y., & Watanabe, S. (2012). Dissociable roles of the medial prefrontal cortex, the anterior cingulate cortex, and the hippocampus in behavioural flexibility revealed by serial reversal of three-choice discrimination in rats. Behavioural Brain Research, 227, 81-90.
- Kosaki, Y., & Dickinson, A. (2010). Choice and contingency in the development of behavioral autonomy during instrumental conditioning. Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 36, 334-342.
- de Wit, S., Kosaki, Y., Balleine, B. W., & Dickinson, A. (2006). Dorsomedial prefrontal cortex resolves response conflict in rats. Journal of Neuroscience, 26, 5224-5229.
書籍(抜粋)
- 神前 裕(2023)なぜ道を覚えられるの?(海馬と空間学習). 小川 園子・富原 一哉・岡田 隆編 動物心理学入門 -- 動物行動研究から探るヒトのこころの世界 有斐閣
- Watanabe, S. & Kosaki, Y. (2017). Evolutionary Origin of Empathy and Inequality Aversion. In S. Watanabe, M. Hofman, & T. Shimizu (Eds.), Evolution of the Brain, Cognition, and Emotion in Vertebrates (pp. 273-299). Springer.
その他メッセージなど
ヒトを対象とした学習・行動の研究も行っております。なんとなく興味はあるけれど動物は苦手・不安という方も、遠慮なくご相談ください。
教授 越川 房子
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研究領域
臨床心理学 パーソナリティ心理学、音楽心理学
現在担当している授業(学部)
公認心理師の職責(春学期)、公認心理師心理実習(通年)、 心理演習 (心理学演習 15 /秋学期)、臨床心理学概論(春学期)、 心理学概論(春学期)、心理学演習 11B と
18B 、 自己形成と無我(文化構想学部・現代人間論系演習/春学期)、 メンタルヘルスマネジメント概論(オープン科目/秋クォーター)
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
臨床心理学の領域としては、最近は、うつ病の再発抑止効果や不安の低減効果で注目を集めているマインドフルネス諸技法に関する研究をしています。マインドフルネス諸技法は習得するまでに若干根気が必要ですが、一度習得すれば、生涯にわたって活用することができます。具体的にどのような技法なのかは、越川ゼミに入ってからのお楽しみです。
また、越川ゼミの学生が博士論文、修士論文、卒業論文のテーマとして取り上げ、希望者に技法をお教えすることもありますので、興味のある方はそのような機会を是非利用してみて下さいね。
パーソナリティ心理学の領域としては、西洋的な自己に対する認識の仕方に対して東洋的な無我という自己のとらえ方に興味をもって研究しています。心理学における自己や自我と無我はどのような関係にあるのか、また自己という(それのみで存在し、永遠に変わらない)実体はないととらえた時に、私たちの認知、感情、行動に何か違いが生じるのかどうかに関心があります。
研究業績
研究論文(抜粋)
- Ishikawa, H., Mieda, T., Oshio, A., & Koshikawa, F. (2017). The Relationship Between Decentering and Adaptiveness of Response Styles in Reducing Depression. Mindfulness, 8(5), 1140-1150. doi: 10.1007/s12671-017-0797-8
- 越川房子 (2014). うつの再発予防のために―日常生活に活かすマインドフルネス―. こころの科学, 177, 54-58.
- 越川房子 (2014). 日本の心理臨床におけるマインドフルネス−これまでとこれから−. 人間福祉学研究, 7(1), 47-62.
- 越川房子 (2013). マインドフルネス認知療法. 精神療法, 39(1), 18-21.
- 越川房子 (2013). マインドフルネス認知療法と森田療法:観ることが症状との関係性を変える. 日本森田療法学会雑誌, 24(1), 35-38.
- 越川房子 (2013). マインドフルネスとMBCT. 臨床心理学, 13(2), 196-201.
- 越川房子 (2013). マインドフルネス認知療法 : レーズン・エクササイズの実際例を含めて. 認知療法研究, 6(1), 9-19.
- 越川房子 (2012). 森田療法と"第3世代"の認知行動療法―マインドフルネス認知療法の視点から. 日本森田療法学会雑誌, 23(1), 33-37.
- 越川房子 (2011). マインドフルネス認知療法. 日本森田療法学会雑誌, 22(1), 11-15.
- 越川房子 (2010). マインドフルネス認知療法 : 注目を集めている理由とその効果機序. ブリーフサイコセラピー研究, 19(1), 28-37.
- 越川房子 (2010). 日常生活におけるマインドフルネス瞑想の適用. 精神科, 17(2), 167-172.
- Sugamura, G., Haruki, Y., & Fusako Koshikawa (2007). "Building more solid bridges between Buddhism and Western psychology." American Psychologist, 62(8), 1080-1081.
- Sugamura, G., Haruki, Y., & Koshikawa, F. (2007). "Is absolute acceptance possible in psychotherapy?: Rethinking unconditional positive regard from the viewpoints of constructive psychotherapy and Shin Buddhism." Constructivism in the Human Sciences, 12, 195-211. など
書籍編著
- 貝谷久宣・熊野宏昭・越川房子 (2016). マインドフルネス―基礎と実践―,日本評論社
- 西本武彦・大藪泰・福澤一吉・越川房子 (2009). 現代心理学入門−進化と文化のクロスロード,川島書店
- Kwee, M.G.T. Gergen, K.J. & Koshikawa, F. (Eds) (2006). Horizons in Buddhist
psychology: Practice, research & theory.Chagrin Falls, OH: Taos Institute. など
書籍分担執筆
- 越川房子 (2016). マインドフルネス瞑想の効果機序. In 貝谷久宣, 熊野宏昭, & 越川房子(編)マインドフルネス―基礎と実践― (pp. 81-96). 日本評論社.
- 越川房子 (2015). クライアント中心療法とマインドフルネス. In 村瀬孝雄 & 村瀬嘉代子(編)[全訂]ロジャーズ―クライアント中心療法の現在― (pp. 203-213). 日本評論社.
- 越川房子 (2012). マインドフルネス認知療法. In 井上ウィマラ, 葛西賢太, & 加藤博己編,仏教心理学キーワード辞典 (pp. 251-253). 春秋社.
- 越川房子 (2011). マインドフルネス認知療法. In 平木典子, 岩壁茂, & 福島哲夫編,新世紀うつ病治療・支援論―うつに対する統合的アプローチ (pp. 123-140). 金剛出版.
- 越川房子 (2009). 自己と臨床心理学―無我と第三世代の行動療法、そして共生の自己心理学―,自己心理学シリーズ3. 金子書房.
翻訳・監訳
越川房子・黒澤麻美 (2012). うつのためのマインドフルネス実践 星和書店
越川房子 (2007). 監訳 マインドフルネス認知療法 北大路書房 など
教授 清水 由紀
Email address :
研究室ホームページ:https://sites.google.com/view/yukishimizu
研究領域
発達心理学,文化心理学
現在担当している授業(学部)
子どものこころ(発達心理学),人間の発達と文化,心理学演習1(心理学実験),心理学概論2,現代人間論系演習(心をみる),現代人間論系演習(発達の生得性と環境効果),「発達を生きる人間」論ゼミ(現代人の心の発達),など
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
人が周囲の人々とかかわり合いながら,自己や他者についての認識を発達させていくプロセスについて研究しています。「他者とかかわる心」は最も人間らしい側面と言えますが,その基礎をなす自己や他者の性格や感情の理解について,乳児期から青年期までを対象とした実験的研究を行っています。
また,他者理解の発達に文化がどのような影響を及ぼすのかについても興味を持っています。文化的な多様性は人という種の大きな特徴であり,人は前の世代までに築かれてきた文化を元に驚異的なスピードで文化の変革を遂げていきます。文化の影響を受けながら自己を形成し,また文化を創り出していく,その相互構成の過程を探ることが中心的なテーマです。近年は,主に北米の大学に所属する研究者と共同で,異なる文化における親子のコミュニケーション過程の比較を行っています。また,視線や脳波などの言語報告以外の指標も用いて,より自動的な社会的認知過程における文化差を捉えることを試みています。
研究業績
論文(抜粋)
- Senzaki, S. & Shimizu, Y. (2022). Different types of focus: Caregiver-child interaction and changes in preschool children’s attention in two cultures. Child Development.
- Shimizu, Y., & Uleman, J. S. (2021). Attention allocation is a possible mediator of cultural variations in spontaneous trait and situation inferences: Eye-tracking evidence. Journal of Experimental Social Psychology, 94.
- Shimizu, Y, Senzaki, S. & Cowell, J. M. (2021). Cultural similarities and differences in the development of sociomoral judgments: An eye-tracking study. Cognitive Development, 57.
- Senzaki, S., Lanter, J., & Shimizu, Y. (2019). The development of attention to singular vs. plural sets in preschool children: Insights from a cross-linguistic comparison between English and Japanese. Cognitive Development.
- Senzaki, S., Wiebe, S. A., Masuda, T., & Shimizu, Y. (2018). A cross-cultural examination of selective attention in Canada and Japan: The role of social context. Cognitive Development, 48, 32-41.
- Shimizu, Y., Senzaki, S., & Uleman, J. S. (2018). The influence of maternal socialization on infants’ social evaluation in two cultures. Infancy, 23(5), 748-766.
- Uleman, J. S., Granot, Y., & Shimizu, Y. (2018). Responsibility: Cognitive fragments and collaborative coherence? Behavioral and Brain Sciences, 41, E60.
- Lee, H., Nand, K., Shimizu, Y., Takada, A., Kodama, M., & Masuda, T. (2017). Culture and emotion perception: Comparing Canadian and Japanese children’s and parents’ context sensitivity. Culture and Brain, 5, 91-104.
- Shimizu, Y. (2017). Why are negative behaviors likely to be immediately invoked traits? The effects of valence and frequency on spontaneous trait inferences. Asian Journal of Social Psychology, 20, 201-210.
- Lee, H., Shimizu, Y., Masuda, T., & Uleman, J. S. (2017). Cultural differences in spontaneous trait and situation inferences. Journal of Cross-Cultural Psychology, 48, 627-643.
- Shimizu, Y., Lee, H., & Uleman, J.S. (2017). Culture as automatic processes for making meaning: Spontaneous trait inferences. Journal of Experimental Social Psychology, 69, 79-85.
- Lee, H., Shimizu, Y., & Uleman, J.S. (2015). Cultural differences in the automaticity of elemental impression formation. Social Cognition, 33, 1-19.
- Shimizu, Y. (2012). Spontaneous trait inferences among Japanese children and adults: a developmental approach. Asian Journal of Social Psychology, 15, 112-121.
著書(抜粋)
分担執筆
- 清水由紀 (2019) 発達心理学から発達障害を捉える. 北洋輔・平田正吾編著 発達障害の心理学−特別支援教育を支えるエビデンス. pp. 14-26. 福村出版.
- 清水由紀 (2019) 児童期 友人とのかかわりと社会性の発達. 藤村宣之編 いちばんはじめに読む心理学の本3 発達心理学−周りの世界と関わりながら人はいかに育つか 第2版.
- pp.110-129. ミネルヴァ書房.
- 清水由紀 (2018) 自分の考えや思いを伝えることば. 無藤隆監修 宮里暁美編 新訂 事例で学ぶ保育内容 領域言葉. pp.119-133. 萌文書林.
単著・編著
- 清水由紀・林創 編著 (2012) 他者とかかわる心の発達心理学 −子どもの社会性はどのように育つか−. 金子書房.
- 清水由紀 編著 (2010) 学校と子ども理解の心理学. 金子書房.
- 清水由紀(2005)パーソナリティ特性推論の発達過程−幼児期・児童期を中心とした他者理解の発達モデル−. 風間書房.
その他メッセージなど
学部は文化構想学部現代人間論系,大学院は文学研究科心理学コースの所属です。
本研究室では,乳児から青年まで,幅広く対象として研究を行っています。特に他者や自己についての認知過程やその発達,比較文化的研究,あるいはその両方に関心がある方は,是非Emailにてご連絡ください。大学院生や研究員の方も大歓迎です。
教授 竹村 和久
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
私たちは、しばしば後で後悔するような決定をしてしまうことがあります。たとえ、人から観て良くない意思決定だったとしても本人が満足していたらその本人には問題はないのですが、本人の観点からも望ましくない意思決定をしてしまうことがあります。このような決定を、私は「悪い意思決定」と呼んでいます(Takemura, K. 2021 Escaping from bad decisions. London: Academic Press )。例えば、本人の考える悪い意思決定としては、ダイエットの失敗や後悔する買い物などが挙げられるかもしれません。もっと大きな問題としては、政策や社会的意思決定の失敗なども挙げられるかもしれません。このような所謂悪い意思決定を回避するにはどうしたらよいのかを数理的解析、実験、調査などのさまざまな観点から研究しています。また、私たちは、よりよい意思決定をするにはどうしたら良いのかということも検討しています。ビジネス書などには、より多くの情報を集めてよく選択肢を吟味したらよいというようなことが書かれていますが、実際にそのようなことを人々にさせてみると混乱して逆に本人にとって望ましくない意思決定をしてしまう可能性があることが指摘されています(Takemura, K.,et al.,2023. Avoiding the Worst Decisions: A Simulation and Experiment. Mathematics 2023, 11(5), 1165)。私たちの研究室では、このような問題意識のもとに、社会的文脈における意思決定過程の研究を中心に行っていますが、学生の興味に合わせてさまざまな研究プロジェクトがなされています。例えば、消費者の購買意思決定の実態調査、アイカメラや生理的測定指標を用いた意思決定過程の実験研究、選好の形成過程の研究、描画や粘土細工の多次元空間解析法を用いた研究、社会行動の観察研究、リスク認知や意思決定の数理的モデル研究や計量分析研究などが行われています。ゼミでは、国内外から研究者や学生が多数訪問してゼミの学生たちとの活発な議論がなされています。興味のある方は是非ご連絡ください。
研究業績
研究論文(抜粋)
- Sabawoon,W., Seino,S.,Pason,B., Momin,N., Kanamori,S., Bender,C.,Takemura,K. (2024). Progress in access and oral polio vaccine coverage among children aged < 5 years in Polio campaigns after the political change in Afghanistan The Journal of Infectious Diseases, 230, Issue 2, 15 August 2024, Page e503, https://doi.org/10.1093/infdis/jiae334
- Shou, Y., Liu, F., Takemura, K., & Olney, J. (2024). Measuring risk tolerance among Japanese adults and cross-national comparison of its role in COVID-19 attitudes. European Journal of Psychological Assessment. Advance online publication. https://doi.org/10.1027/1015-5759/a000831
- Uemura,Y.,Takemura,K.& Kita,K.(2024)., Mathematical Modeling of Possibility Markov Chains by Possibility Theory, Applied Mathematics Vol.15 No.8, doi: 10.4236/am.2024.158032.
- Fujii, Y., Murakami, H., Nakamura, Y., & Takemura, K. (2023). Multiattribute Regret: Theory and Experimental Study. Theory and Decision, doi: https://doi.org/10.1007/s11238-023-09936-w
- Takemura, K., Tamari, Y., and Ideno, T. (2023). Avoiding the Worst Decisions: A Simulation and Experiment. Mathematics 2023, 11(5), 1165. https://doi.org/10.3390/math11051165
- 竹村和久・劉放 (2022). 商品の感性的価格判断 - 心的モノサシ理論による説明 -, 感性工学 20 (3) 136-142. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansei/20/3/20_136/_article/-char/ja/
- Hayashi, M., Ideno, T., and Takemura, K. (2022). The Relationship Between Fear of Isolation and Thinking Ability about Social Issues. Japanese Psychological Research. DOI: 10.1111/jpr.12433; https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jpr.12433
- 村上 始, 須永 直人, 星野 貴仁, 舘岡 大貴, 平塚 将, 原口 僚平, 山下部 駿, 竹村 和久 (2022). コロナ禍における規範的意思決定についての研究−状況依存的焦点モデルとその推定法に関する検討及びその適用−, 日本感性工学会論文誌. https://doi.org/10.5057/jjske.TJSKE-D-22-00019
- Takemura, K. (2021a). Escaping from bad decisions. London: Academic Press (Elsevier).
- Takemura, K. (2021b). Behavioral decision theory (2nd ed.). New York: Springer Nature.
- 劉放・川杉佳太・竹村和久 (2021). シリーズ「消費者を理解する―消費者を守るための知見と取り組み―」1.消費者理解と消費者の意思決定支援――誤認とトラブルの回避のために――, 繊維製品消費科学, 62(9), 19-24.
- 岩滿優美・小林史乃・川杉桂太・竹村和久・西澤さくら・塚本康之・延藤麻子・小平明子・轟純一・轟慶子 (2021). 統合失調症患者における対称性選好と精神症状との関連について, 精神医学, 63(8), 1269-1278.
- Ideno, T., Morii, M., Takemura, K., Okada, M. (2020). On effects of changing multi-attribute table design on decision making: An eye-tracking study. Diagrammatic Representation and Inference, 365-381. 10.1007/978-3-030-54249-8_29
- Fujisawa, M., Takemura, K., Funaki, Y. Uto, N., Takahashi, R., (2020). An experimental study of the effect of energy label design on the correct evaluation of buildings’ energy performance and promotion of energy saving, International Real Estate Review, 30, 733-762.
- Takemura, K. (2020). Behavioral decision theory, In Oxford research encyclopedia of politics, Oxford: Oxford University Press. doi: 10.1093/acrefore/9780190228637.013.958.
- Takemura, K. (2019). Foundations of economic psychology: A behavioral and mathematical approach, New York: Springer Nature.
- Takemura, K., & Murakami, H. (2018). A Testing Method of Probability Weighting Functions from an Axiomatic Perspective. Frontier in Applied Mathematics and Statistics, 4. doi:10.3389/fams.2018.00048
- 竹村和久(2018). 意思決定研究と実験法 基礎心理学研究,36, 210-221. doi:10.14947/psychono.36.37
- Hatori, T., Fujii, S., & Takemura, K. (2017). How previous choice affects decision attribute weights: a field survey. Behaviormetrika, 44, 477-487.
- Morii, M., Ideno, T., Takemura, K., & Okada, M. (2017). Qualitatively coherent representation makes decision-making easier with binary-colored multi-attribute tables: An eye-tracking study, Frontiers in Psychology, 8. doi:10.3389/fpsyg.2017.01388
- Takemura, K., & Murakami, H. (2016). Probability Weighting Functions Derived from Hyperbolic Time Discounting: Psychophysical Models and Their Individual Level Testing. Frontiers in Psychology, 7. doi: 10.3389/fpsyg.2016.00778
- 竹村和久 (2015). 経済行動の意思決定過程ー行動経済学の心理的基礎ー,感性工学,13(3), 143-149.
- 竹村和久・原口僚平・玉利祐樹 (2015). 多属性意思決定過程における決定方略の認知的努力と正確さ:計算機シミュレーションによる行動意思決定論的検討,認知科学,22(3), 368-388.
- 羽鳥剛史・竹村和久・藤井聡・井出野尚 (2011). カテゴリー判断における焦点化仮説の検討―心の箱モデルによる説明―,心理学研究,82(2), 132-140.
- 玉利祐樹・竹村和久 (2011). 言語プロトコルの潜在意味解析モデルによる消費者の選好分析,心理学研究,82(6), 497-504.
- Takahashi, H., Matsui, H., Camerer, C., Takano, H., Kodaka, F., Ideno, T., Okubo, O., Takemura, K., Arakawa, R., Eguchi, Y., Murai, T., Okubo, Y., Kato, M., Ito, H., & Suhara, T. (2010). Dopamine D1 receptors and nonlinear probability weighting in risky choice. Journal of Neuroscience, 30, 16567-16572.
その他メッセージなど
大学院進学を考えていて私の研究指導を受けたい方がいらっしゃったら、どうぞ電子メール等でご相談ください。
研究室の様子は、研究室のホームページをご参照ください。
http://www.waseda.jp/sem-takemura/
准教授 田中 雅史
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
2020年から始まった当ゼミでは、音楽などの芸術が心身へもたらす効果や、その生物学的起源を研究しています。人類は、芸術やアートに類する文化的活動を有史以前から営んできました。芸術は「生きるためには必要ない」とも言われますが、その「美しさ」は、しばしば鮮烈に私たちを惹きつけます。たとえば、芸術の中でも高い抽象性を備えた音楽は、言葉を伴わなければ無意味な音の連続に過ぎませんが、不思議と人に快楽をもたらし、ときにその情動を強く揺さぶって、気分を高揚させたり、心の傷を癒したり、連帯感を高めたりすることができます。しかし、なぜ音楽がこうした作用をもたらすのか、そのメカニズムはほとんど明らかになっていません。
そこで私たちは、音楽のような抽象的刺激に対するヒトの嗜好や身体反応が、どのようにして生まれ、その後の経験によってどのように変わっていくのかを、実験的手法によって調べていきます。また、スズメ亜目の鳥(songbird:
歌鳥)が美しい歌をさえずり、あたかもヒトの文化伝承のように、模倣学習を通して次世代へと歌を伝えていく能力をもっていることに着目し、歌鳥を対象とした研究も行うことで、音楽・歌に対する心身反応を支える脳内メカニズムを、ミクロのレベルから探究します。このようにヒトと歌鳥の比較心理学的アプローチをとる本研究室は、最先端の神経科学・遺伝子工学の技術なども活用しつつ、芸術や文化の起源の科学的解明を目指します。
研究業績
研究論文(抜粋)
- Tanaka, M., Sun, F., Li Y., & Mooney, R. (2018). A mesocortical dopamine circuit enables the cultural transmission of vocal behavior. Nature 563: 117-120. DOI: 10.1038/s41586-018-0636-7
- Roberts, T. F., Hisey, E., Tanaka, M., Kearney, M., Chattree, G., Yang, C. F., Shah, N. M., & Mooney, R. (2017). Identification of a motor-to-auditory pathway important for vocal learning. Nat Neurosci 20(7): 978-986. DOI: 10.1038/nn.4563
- Hamaguchi, K., Tanaka, M., & Mooney, R. (2016). A distributed recurrent network contributes to temporally precise vocalizations. Neuron 91(3): 680-693. DOI: 10.1016/j.neuron.2016.06.019
- Tanaka, M., Singh Alvarado, J., Murugan, M., & Mooney, R. (2016). Focal expression of mutant huntingtin in the songbird basal ganglia disrupts cortico-basal ganglia networks and vocal sequences. Proc Natl Acad Sci U S A 113(12): E1720-1727. DOI: 10.1073/pnas.1523754113
その他メッセージなど
昨今の神経科学の進歩はめざましく、これまでアプローチすることが困難であった高次な脳機能の解明に挑むことが可能になりつつあります。歌鳥は、美しい行動で求愛する一方で、高い模倣能力を有し、特定の個体との強い社会的結合を長期間維持するなど、ヒトとの興味深い共通点をもっており、近年、その神経回路の解明は急速に進んでいます。歌鳥とヒトがもつ珍しい能力の神経メカニズムに興味がある方は、お気軽にご連絡下さい。
教授 豊田 秀樹
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
心理計量ゼミでは、心理学を基本としながら、理論と実践の双方に同程度の重きを置いて、データ解析マインドを養います。データ解析とは、客観的なデータから、現実的な要求に応えるための知見を得るための学問です。また情報化社会に対する豊かな感受性を養い、データ解析に必要な計算機の知識を身に付けます。共分散構造分析、教育測定学、マーケティング、サイエンス、多変量解析、データマイニング、項目反応理論、実験計画法、標本抽出理論、数理統計学等、広い意味での心理統計学の領域を主たる研究領域とします。
しかし、それらに限定することなく、データ解析手法をできるだけ広く学び、研究します。適用分野は必ずしも狭義の心理学領域に限定しません。データ解析は、学際性を特に重視します。学問領域の性格上、勉強する側にも地道に努力する態度が要求されます。ただし心理学の中では技術習得的要素が最も強い分野なので、努力さえすれば確実に上達していく分野でもあります。就職の面接で「大学(院)時代に何を勉強しましたか」と尋ねられたら「心理学を基本に据えたデータ解析を勉強してきました」と胸を張って応えられるようになってもらいたいと願っています。
その他メッセージなど
大学院進学を考えていて私の研究指導を受けたい方がいらっしゃったら、どうぞ電子メール等でご相談ください。<toyoda
あっと waseda.jp>
研究室の様子は、研究室のホームページをご参照ください。
http://www.waseda.jp/sem-toyoda-lab/
教授 日野 泰志
研究領域
言語心理学・認知心理学
現在担当している授業(学部)
心理学演習11F・18F、言語心理学、認知のシステムなど
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
日野研究室では、主に、行動実験を通して言語心理学、特に視覚的単語認知の研究を行っています。人に文字や語や文を読ませて、それに対する何らかの反応を求めたとき、その反応に要した時間は、「読み」の作業に要した時間を反映するデータと考えることができます。こうした行動データをもとに、「読む」という作業には、どのようなメカニズムが潜んでいるのかを解明するための研究を進めています。また、最近では、事象関連電位を扱った研究も進めています。事象関連電位は、時間的な解像度が高いことから、反応時間などの行動データでは、観察が難しい初期の処理プロセスの性質を反映している可能性があります。こうした理由から、事象関連電位による研究も積極的に進めています。
これまで扱ってきた具体的なテーマとしては、「語の出現頻度効果の研究」「多義語と一義語の読みに関する研究」「形態隣接語の意味活性化に関する研究」「同音語に関する研究」「バイリンガルの語彙処理に関する研究」「語の形態−意味対応の一貫性効果に関する研究」などがあります。こうした研究を通して、人が外界から得た情報を、自分が保持している知識を使って処理する時、どのような仕方で処理されるのか、人が持つ情報処理システムはどのような構造を持つものなのか、などの問題の解明を目指しています。
研究業績
研究論文(抜粋)
- Matsuki, E., Hino, Y. & Jared, D. (2020). Understanding semantic accents in Japanese-English bilinguals: A feature-based approach. Bilingualism: Language and Cognition.
- Yang, H., Hino, Y., Chen, J., Yoshihara, M., Nakayama, M., Xue, J., & Lupker, S. J. (2020). The origins of backward priming effects in logographic scripts for four-character words. Journal of Memory and Language.
- Yoshihara, M., Nakayama, M., Verdonschot, R. G., & Hino, Y. (2020). The influence of orthography on speech production: Evidence from masked priming in word naming and picture naming tasks. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory and Cognition, 46, 1570-1589.
- Yoshihara, M., Nakayama, M., Verdonschot, R. G., Hino, Y., & Lupker, S. J. (2020). Orthographic properties of the distractors do influence phonological Stroop effects: Evidence from Japanese Romaji distractors. Memory & Cognition.
- 楠瀬悠・日野泰志. (2019). マスク下の意味的プライミング効果におけるプライムの形態隣接語の役割について. 認知心理学研究, 17, 1-10.
- Yoshihara, M., Nakayama, M., Verdonschot, R. G., & Hino, Y. (2017). The phonological unit of Japanese Kanji compounds: A masked priming investigation. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 43, 1303-1328.
- Hino, Y., Kusunose, Y., Miyamura, S., & Lupker, S. J. (2017). Phonological-orthographic consistency for Japanese words and its impact on visual and auditory word recognition. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 43, 126-146.
- Kusunose, Y., Hino, Y., & Lupker, S. J. (2016). Masked semantic priming effects from the prime’s orthographic neighbors. Journal of Cognitive Psychology, 28, 275-296.
その他の研究報告:
日野泰志. (2017). 仮名語と漢字語の親近性. WASEDA ONLINE: オピニオン (2017年7月31日).
その他メッセージなど
これまで日野研究室では、東京都健康長寿医療センター研究所の伊集院睦雄先生(現在:県立広島大学・教授)と連携して、勉強会を開催してきましたが、2013年度以降は総合人文科学研究センター「行動・社会・文化に関する多角的アプローチ」部門の活動の一環として勉強会を開催しています。勉強会の情報については、総合人文科学研究センターのページをご確認下さい。
教授 福川 康之
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
福川研究室は、健康心理学に興味を持つ人たちが集まるところです。健康心理学は、心と身体の健康をともに扱う点、予防的アプローチを重視する点などで、(狭義の)臨床心理学とは区別されます。この認識をベースに、ストレスへの効果的な対処や社会的ネットワークの健康維持機能、高齢者の長寿や生きがいなどをテーマに研究を進めています。
研究方法は調査や実験などから得られたデータの解析ですが、進化や適応の考え方を理論的背景においているところが特徴です。ヒトという種が長い年月をかけて身に着けてきた生存や繁殖上の戦略と,現代の私たちの健康や行動との関連について、文化や生物学的特徴などに配慮しながら検討しています。福川研究室への所属を希望する学部学生には、ものを考える楽しさをぜひとも味わってほしいと思います。大学院に進む場合には、研究室の運営に積極的に携わりながら、専門知を扱う力を鍛えていくことになります。
研究業績
研究論文(抜粋)
- Takikawa, R. & Fukukawa, Y. (2024). Sex differences in birth weight depending on the mother's condition: testing the Trivers-Willard hypothesis in Indian twins. Evolution and Human Behavior45(1), 41-47. https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2023.08.003
- Takikawa, R. & Fukukawa, Y. (2023). Testing gender differences: The dark triad and motives for deceptive impression management. Social Behavior and Personality: an international journal 51(6) 1-11. https://doi.org/10.2224/sbp.12116
- Fukukawa, Y., Onoguchi, W., & Nakamura, M. (2016). A Japanese version of the measure of food choice values: Validity and reliability assessment. In C. Pracana & M. Wang (Eds.), International Psychological Applications Conference and Trends (pp. 312-314). World Institute for Advanced Research and Science.
- Fukukawa, Y., Onoguchi, W., & Oda, R. (2015). Reciprocity as Social Capital and Self-Rated Health in Japanese Community-Dwelling Adults. GSTF Journal of Psychology, 2, 28-33.
- Oda, R., Fukukawa, Y. et al. (2014). Personality and altruism in daily life. Personality and Individual Differences, 56, 206-209.
- Fukukawa, Y. (2013). Grandparental investment and reproductive success in modern Japanese society. Journal of Evolutionary Psychology, 11, 35-48.
- Fukukawa, Y. (2013). Social network dynamics and psychological adjustment among university students. Journal of Educational, Health and Community Psychology, 2, 9-18.
- Fukukawa, Y. (2012). tress-amplifying effects of negative social exchanges among female Japanese college students. Social Behavior and Personality, 40(6), 891-902.
- Oda, R., Hiraishi, K., Fukukawa, Y., & Matsumoto-Oda, A. (2011). Human prosociality in altruism niche. Journal of Evolutionary Psychology, 9, 283-293.
- Fukukawa, Y. (2011). Solitary death: A new problem of an aging society in Japan. Journal of the American Geriatrics Society, 59(1), 174-175.
- Fukukawa, Y. et al. (2011). Social support as a moderator in a falls prevention program for older adults. Journal of Gerontological Nursing, 34, 19-25.
- Shimokata, H., Ando, F., Fukukawa, Y., & Nishita, Y. (2006). Klotho gene promoter polymorphism and cognitive impairment.
- Shimokata, H., Ando, F., & Fukukawa, Y. (2004). Interactions between health and psychological changes in Japanese: the NILS-LSA.
- Fukukawa, Y. et al. (2004). Age differences in the effect of physical activity on depressive symptoms. Psychology and Aging, 19, 346-351.
- Fukukawa, Y. et al. (2004). The impact of health problems on depression and activities in middle-aged and older adults: Age and social interactions as moderators. Journal of Gerontology: Psychological Sciences, 59B, P19-P26.
- Tateyama, M., Takeda, R., Tokuno, M., Hashimoto, M., Fukukawa, Y., Osada, H., & Uematsu, Y (2003). Visual motor gestalt task indicates that 'deficit schizophrenics' become severely disturbed with age. Psychogeriatrics, 3, 73-77.
- Tsuboi, S., Fukukawa, Y., et al. (2000). The factors related to age awareness among middle-aged and elderly Japanese. Journal of Epidemiology, 10, S56-S62.
- Fukukawa, Y. et al. (2000). Effects of social support and self-esteem on depressive symptoms in Japanese middle-aged and elderly people. Journal of Epidemiology, 10, S63-S69.
- 吉田 暁・福川康之 (2022). タッチパネルスライダーによる感情評定法の妥当性に関する検討. 日本感性工学会論文誌, 21, 199-205.
- 吉田 暁・福川康之・石井康智 (2019). タッチパネルを用いたリアイム情動評定法の作成. バイオメディカル・ファジシステム学会誌, 21, 15-20.
- 小野口航・福川康之 (2017). 中高年期の生きがいと精神的健康との関連:居住地域と年代に着目した検討. 年金研究, 7, 84-96.
- 松本晶子・小野口航・福川康之 (2015). 人の移動動機の解明に向けて−島人の離島選好度と地理認知. 生物科学, 31, 5-14.
- 福川康之他 (2014) 感染脆弱意識(PVD)尺度日本語版の作成. 心理学研究, 85, 188-195.
- 福川康之・川口一美 (2011). 孤独死の発生ならびに予防対策の実施状況に関する
- 福川康之・川口一美 (2011). 孤独死の発生ならびに予防対策の実施状況に関する全国自治体調査 日本公衆衛生雑誌, 58, 959-966.
- 福川康之他 (2005). 友人との死別が成人期の抑うつに及ぼす影響―年齢および家族サポートの調節効果心理学研究, 76, 10-17.
- 坪井さとみ・福川康之他 (2004). 地域在住の中高年者の抑うつに関する要因-その年齢差と性差- 心理学研究, 75, 101-108.
- 福川康之他 (2003). 交替勤務スケジュールが看護師の気分変動に及ぼす影響 心理学研究, 74, 354-361.
- 福川康之他 (2002). 中高年のストレスおよび対人交流と抑うつとの関連:家族関係の肯定的側面と否定的側面 発達心理学研究, 13, 42-50.
著書等(抜粋)
- 福川康之 (2023). 進化化心理学で言える事・言えない事 その「心理学」ホント? https://www.wasedapsychology.jp/teacher.html 金子書房
- 福川康之 (2021). 老いる 小田 亮・橋彌和秀・大坪庸介・平石 界(編) 進化でわかる人間行動の事典 (pp 54-58). 朝倉書店.
- 小野口 航・福川康之 (2016). 高齢者のうつ病を防ぐために−本人と周りの人にできること.長田久雄・箱田裕司(編)心理学叢書第5巻:超高齢社会における心理学の貢献 (pp. 83-97) 誠信書房
- 福川康之 (2015). 無縁社会における高齢者の孤独死.高木 修(監修) 竹村和久(編集)「心理学叢書第4巻:無縁社会における心理と行動―その実態と理論」(pp. 136-149) 誠信書房
- 福川康之 (2014). 老年期の人間関係. 大藪 泰・林もも子・小塩真司・福川康之(編著)人間関係の生涯発達心理学−自己/他者/意味との出会い (pp. 123-155) 丸善出版
- 福川康之 (2007). 老化とストレスの心理学―対人関係論的アプローチ―. 弘文堂
- 福川康之他 (2007). ライフイベンツとストレス 老年学要論―老いを理解する―(pp.183-193) 建帛社
- 福川康之 (2006). 高齢者のストレス対策 朝倉心理学講座19:ストレスと健康の心理学 (pp.177-191).朝倉書店
- 福川康之 (2002). 老年期と心理学的ストレス ストレス心理学 (pp.166-176). 川島書店
教授 藤野 京子
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
20年近く非行・犯罪分野での現場経験を有し、その経験をもとに、どうして非行・犯
罪に走ってしまうのか、その効果的な予防とはどのようなものか、などを心理臨床の観点と犯罪学の観点から研究しています。心理学に主軸はありますが、この
分野の研究には学際的視点も欠かせないととらえています。
二次予防(非行少年や犯罪者の立ち直りに対する支援・介入)も大切ですが、一次予防(一般の人に対する非行・犯罪予防)がとても大切であり、近年の研究で
は後者に力点を置いています。働きかけの内容については、単に非行・犯罪に走りやすい欠点なり短所なりを改善するのでは十分ではなく、長所に働きかけて
ウェル・ビーイングを目指す必要があるととらえています。また、本人への働きかけにとどまらず、周囲はどのような働きかけをするのがよいのか、どのような
社会環境が非行・犯罪を抑止するのに貢献するか、などにも興味をもっています。
研究業績
編著(抜粋)
- 藤野京子・鷲野薫 (2022). ワークブック窃盗離脱プログラム リ・コネクト 現代人文社
- 藤野京子(2020). 罪を犯した女たち 金剛出版
- Fujino, K. (2018). Analysis of current criminals in Japan based on typology of relationships with others. In Liu, J. & Miyazawa, S. eds. Crime and Justice in contemporary Japan. Springer.
- 藤野京子・鷲野薫・藤掛友希・両全会薬物プログラム開発会 (2017). 薬物離脱ワークブック 金剛出版
- 藤野京子 (2016). 近代犯罪心理学文献選 クレス出版
- 藤野京子 (2010). 困っている子を支援する6つのステップ−問題行動解決のためのLSCI(生活空間危機介入)プログラム 明石書店
- 藤野京子・高橋哲・北村大 (2007) 薬物はやめられる!? 財団法人矯正協会
編著(抜粋)
- 藤野京子監訳 (2016). アンガーマネジメント11の方法 金剛出版
- 藤野京子訳 (2008). 犯罪・災害被害遺族への心理的援助 金剛出版
教授 宮田 裕光
Email address :
研究室ホームページ:https://miyata-lab.labby.jp/
研究領域
身体心理学、生理心理学、心身論
現在担当している授業(学部)
心身論 (春学期)、生活世界と身体 (秋学期)、心理学概論2 (秋学期)、「心身を生きる人間」論ゼミ (心身論)(春学期・秋学期)、現代人間論系演習
(心身の健康と幸福)(春学期)、現代人間論系演習 (身体の実践と科学)(秋学期) など
興味のある研究テーマまたは学生へのメッセージ
近年は主に、ヨーガ・瞑想、武道、笑い、伝統芸能、速読といった、主に東洋の伝統的な実践による心身の変容とその機序について研究しています。具体的には、こうした実践と内受容感覚やマインドフルネス、幸福感といった心理的、生理的機能との関連の研究などが挙げられます。研究方法としては、心理測定尺度、自律神経活動計測、行動実験などとそれらの組み合わせを、目的に応じて用いています。東洋医学(整体、断食、自然医食など)にも関心を持っています。
心理学では、心 (内的状態)
が身体の生理反応などに表出されると捉えられることが多いのですが、身体心理学では逆に、身体の動きが心のあり方を形づくると考えます。また呼吸、表情、姿勢、対人空間など、心身の両面にまたがる反応の研究を通して、心身の統合としての人間の全体像を捉えようとします。こうした観点からの研究は、東洋的な実践
(ボディーワーク) が理想としてきた「心身一如」の実践的理解に、実証的な根拠を与えることにもつながります。
またこれまでには、鳥類 (ハト、ミヤマオウム) やヒト幼児、成人のプランニングや問題解決、洞察など、高次認知能力を中心に、行動実験や近赤外線分光法
(NIRS)、視線計測などを用いた研究も行ってきました。これらに関連のあることも含めて、心身にかかわる研究テーマを広く歓迎いたします。
研究業績
学術論文 (抜粋)
- Yamasaki, K., Sampei, A., & Miyata, H. (2024). Relationship between rumination, self-compassion, and psychological health among Japanese university students: A cross-sectional study. PLOS ONE, 19(1), e0297691.
- 宮田 裕光・高田 佳子・佐瀬 有里 (2023). 対面での笑いヨガの実践による心理状態の変化および性格特性との関連. 笑い学研究, 30, 19-34.
- Miyata, H., Yamasaki, K., Noh, C-E., & Ishikawa, H. (2023). Relationship between COVID-19 pandemic-related life behavior, dispositional mindfulness, and psychological health: Evidence from a sample of Japanese working adults. International Journal of Environmental Research and Public Health, 20(10), 5873.
- 宮田 裕光・赤塚 咲希 (2022). 食事前の呼吸瞑想が食行動とマインドフルネスにおよぼす効果 マインドフルネス研究, 7(1), 17-22.
- 宮田 裕光・田野 真那佳・金 法龍・董 子玉・ロア 万莉 (2021). 剣術実践者におけるマインドフルネス特性と内受容感覚への気づき──予備的検討── マインドフルネス研究, 6(1), 23-32.
- Miyata, H., Kobayashi, D., Sonoda, A., Motoike, H., & Akatsuka, S. (2020). Mindfulness and psychological health in practitioners of Japanese martial arts: A cross-sectional study. BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation, 12, 75.
- Miyata, H., Okanoya, K., & Kawai, N. (2015). Mindfulness and psychological status of Japanese yoga practitioners: A cross-sectional study. Mindfulness, 6(3), 560-571.
- Miyata, H., Watanabe, S., & Minagawa, Y. (2014). Performance of young children on "traveling salesperson" navigation tasks presented on a touch screen. PLoS ONE, 9(12), e115292.
- Miyata, H., Nishimura, R., Okanoya, K., & Kawai, N. (2012). The mysterious Noh mask: Contribution of multiple facial parts to the recognition of emotional expressions. PLoS ONE, 7(11), e50280.
- Miyata, H., Watanabe, S., & Minagawa-Kawai, Y. (2011). Two successive neurocognitive processes captured by near-infrared spectroscopy: Prefrontal activation during a computerized plus-shaped maze task. Brain Research, 1374, 90-99.
- Miyata, H., Gajdon, G. K., Huber, L., & Fujita, K. (2011). How do keas (Nestor notabilis) solve artificial-fruit problems with multiple locks? Animal Cognition, 14(1), 45-58.
- Miyata, H., & Fujita, K. (2010). Route selection by pigeons (Columba livia) in "traveling salesperson" navigation tasks presented on an LCD screen. Journal of Comparative Psychology, 124(4), 433-446.
- Miyata, H., Itakura, S., & Fujita, K. (2009). Planning in human children (Homo sapiens) assessed by maze problems on the touch screen. Journal of Comparative Psychology, 123(1), 69-78.
- Miyata, H., & Fujita, K. (2008). Pigeons (Columba livia) plan future moves on computerized maze tasks. Animal Cognition, 11(3), 505-516.
- Miyata, H., Ushitani, T., Adachi, I., & Fujita, K. (2006). Performance of pigeons (Columba livia) on maze problems presented on the LCD screen: In search for preplanning ability in an avian species. Journal of Comparative Psychology, 120(4), 358-366.
著書(抜粋)
- 宮田裕光 (2014). 動物の計画能力―「思考」の進化を探る. 京都大学学術出版会 プリミエ・コレクション 48 (単著).
その他メッセージなど
学部は文化構想学部現代人間論系、大学院は文学研究科心理学コースの所属です。
2019年度より大学院 (修士課程、博士後期課程)
を兼担しています。学内、学外からともに、大学院への進学、研究員なども歓迎いたします。興味のある方は、Eメール等でいつでもご連絡ください。
助教・助手紹介
助教 瀧川 諒子
研究業績
研究論文(抜粋)
- Takikawa, R., & Fukukawa, Y. (2023). Sex differences in birth weight depending on the mother's condition: Testing the Trivers-Willard hypothesis in Indian twins. Evolution and Human Behavior.
- Takikawa, R., & Fukukawa, Y. (2023). Testing gender differences: Dark triad and motives for deceptive impression management. Social Behavior and Personality 51(5)
- Takikawa, R., Ishii, Y., Suzuki, T., & Oyama-Higa, M. (2015). The impact of trait anxiety under a painful stimulus on the chaotic synchronization of respiration and pulse waves. Journal of Information and Communication Engineering, 1, 1-8.
- Takikawa, R., Ishii, Y., Suzuki, T., & Oyama-Higa, M. (2015). Chaotic synchronization of respiration and center of gravity sway. Journal of Bioinformatics and Neuroscience, 1, 1-7.
- Takikawa, R., Ishii, Y., Suzuki, T., & Oyama-Higa, M. (2015). Chaotic synchronization of pulse waves and respiration. Journal of Bioinformatics and Neuroscience, 1, 24-30
分担執筆(抜粋)
- 瀧川諒子(印刷中).ママは戦略家―ヒト女性の進化心理学 富田健太・讃井知(編) 大学で心理学を学びたいと思ったときに読む本 誠信書房
助手 湯山 祥
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研究領域
犯罪心理学、修復的司法
研究業績
研究論文(抜粋)
- 湯山祥・藤野京子 (2020). 犯罪当事者間での対話意欲を規定する要因ー修復的司法の視座からー 犯罪社会学研究, 45, 109-122.
- 湯山祥 (2023). 修復的司法運用モデルに関する支持の検討−一般市民の視点と被害者および加害者を想定した視点から− 法社会学, 89, 205-233.
- 湯山祥・向井智哉・松木佑馬・綿村英一郎 (2024). 特定少年実名報道への支持と子どもに対する現代的偏見−実名報道目的の媒介効果− 実験社会学研究
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