心理学教室の概要
文学部心理学教室は100年以上の歴史を持ちます。1882 年(明治 15 年)の東京専門学校(早稲田大学の前身)の創立時より心理学の授業が行われ,1890 年(明治23 年)の坪内逍遥博士らによる東京専門学校文学科が設立されました。これが現在の文学部心理学教室のルーツとなっています。当時は,坪内逍遥博士自身も心理学の講義を行ったと伝えられています。その後,文学部心理学教室が 1932 年(昭和 7 年)に設立され,学術・文化・実務に関する数多くの優れた人材を輩出し続けています。
近年では,心理学の領域は,生命科学,脳神経科学などの自然科学分野,経済学,マーケティングなどの社会科学分野,精神医学などの医療分野,統計学や応用数学などの数理科学分野とも密接に関わるようになってきています。文学部心理学教室には,このような様々な近接学問領域に対応可能な幅広い専門を持った教授陣が揃っています。
心理学教室の特色
心理学教室には臨床心理学・健康心理学・生理心理学・認知心理学・犯罪心理学・神経心理学等,様々な専門に分かれた教員が在籍しています。学生には,ゼミでの研究だけでなく,選択演習や講義を通じて他分野の心理学に触れる機会も多く設けられており,多様な観点を養う環境が整えられています。学部2年次必修の基礎実験実習は,認定心理士を取得するために必要な実習として認められています。
卒業生の進路
学部生では,例年1,2割ほどの学生が大学院に進学しています。そのまま早稲田大学の文学研究科に進学する学生も,臨床心理士指定大学院や他大学の大学院に進学する学生もいます。修士課程卒業後はさらに進学,あるいはそれぞれの専門分野を生かした就職先があります。博士後期課程に進学・卒業後は,大学講師や研究者の道に進みます。専門分野によっては,臨床現場や,国家公務員の心理職,統計スキルを活かした職に就くこともあります。
学部生の約8割の学生が官公庁・民間企業に就職します。就職先は公務員や大手メーカー・マスメディア等多岐にわたります。統計解析や論理的思考といった心理学コースでの経験を活かして,情報業や金融業への就職も目立ちます。文学部の中でももっとも勉強量をこなす環境にあるためか,就職率と就職先はかなり良いです。いずれにしても,論理的思考力・データ解析能力に加えて高齢・福祉社会への理解と対応など,現在社会から求められているスキルは心理学に集約していると言っても過言ではありません。